元明石市長の書籍を読む

元明石市市長、泉房穂さんの著書『社会の変え方』を読みました。

本人の生い立ちから、政治的なところを目指す経緯。
明石市で取り組んだことなどが書かれています。

弟さんは障害を持って生まれたことから、弟の世話をするのは当たり前だったそうです。
そんな中からのご自身の努力や弱者に優しくない社会に対する怒りを胸に政治の世界に足を踏み入れたのだとか。
その自分を動かす力には圧倒されました。

今や明石市は10年連続人口増、そして人口増加率中核市ナンバーワン
子供のために、市がお金を使うことで回り回って全体が良くなる。
お金がないから子供の対策ができないのではない、やりくりをしただけ、家計のやりくりと一緒だというのです。
政治の財源がないための増税というのは本当に必要なのか考えてしまいます。

正直政治の問題は手に余るので、興味はあれども国の財政がどのように使われているのかなど分かることではありません。
だからと言って何も知らずにポスターの印象だけで選挙に行ってはいけないな。とは思うようになりました。
泉氏の当選時は、何の後ろ盾もない状態で市民の投票で勝ち得たものだというのは熱い話です。
当選後もたくさんの逆風を浴びたままでしたが、子供に対する施策をしていき、2年後には人口が増加し出したということ。
そこからは、地域経済も回りだし、地域の経済が回り出すと企業や、店舗の新規出店など活気が出てきたのだとか。
そして、今までの逆風からは手のひらを返すような話も出てきたと。

著書の中で終始語られていたのは、子供に冷たい日本、弱者に冷たい日本、ということ。
そうなのかもしれません。私はあまり弱者側になったことがないので気づかないだけで、
実際に泉氏の弟さんは障害があって普通学校に行かせてほしいと言ったところ、「何があっても行政を訴えない、送り迎えは家族が責任をもつこと」と誓約書を書かされたと言います。
これは50年くらい前の話ですので、今と昔での社会的な考え方の違いはありますが、
今もこれに近いことが、日本ではあるのではないでしょうか。車椅子で出かけて助けを求めると
「自分でできないのに出かける方が悪い」といった話もあります。
確かにこんな冷たいことってあるでしょうか。困っている人を助けられる親切な国と海外では言われると聞きましたが、
それは外向けの顔なのでしょうか。

そんな冷たい国ではなく、制度を明石市から変えていこう、明石でできたことはどこでもできる。
とおっしゃられていました。

私自身が政治的なことをしたいということではありませんが、
社会を弱者や子供に優しい社会に変えていきたいと願う思いにはとても熱いものを感じました。